【クレーム対応Q&A】GIGA端末が古い

公開日時:2024-09-13 19:15:02  
カテゴリ:事例/その他

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 学校に寄せられるさまざまな相談やクレーム。保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまな相談に対応する際のポイントを聞いた。第195回のテーマは「GIGA端末が古い」。

GIGAスクール構想による学びの変化

 GIGAスクール構想は日本の子供たちの学びの形を大きく変えました。私は近代日本の学校における2度目の大きな変化だと考えています。近代日本において、江戸期から明治期への変化は非常に大きなものでした。それが1度目の大きな変化です。明治5年の学制は現在の学校の学びのスタイルに大きく影響を与えています。それまでの江戸期は幕藩制ということもあり、学びに関しても地域性が強く、全国で統一されたものではありませんでした。庶民は「寺子屋」、武士は「藩校」などで学んでいたとされています。江戸期の教育、特に庶民教育はその時代の諸外国と比べても非常に充実していたものだったとされています。江戸期の充実した教育があったおかげで、明治期に日本が欧米諸国と肩を並べるような近代国家へ発展することができたと言われています。

 その後、明治期には国家統一のプログラムがなされるようになりました。その変化は大きなもので、それがその後の150年引き継がれながら取り組まれてきました。具体的なものでは、同じ年齢の子供たちが教室に集まり、教師が教室の前に立ち、黒板や教科書・ノートなどを使いながら学んでいくというスタイルです。GIGAスクール構想は明治以来、長く取り組まれてきたこの学びのスタイルを大きく変えました。GIGA端末は、個に応じた学びと相性が良く、これまで以上にそれぞれの子供の育ちに寄与しています。

GIGA端末にまつわるトラブルも

 ただ、この数年、色々なトラブルが発生していることも事実です。不適切な動画の視聴、SNSなどでのいじめなど、ソフト面に関するトラブルもありますし、机から落としたことによる破損など、ハード面に関するトラブルもあります。現在、使用されているGIGA端末は1回目に導入されたものがほとんどです。2020年春の新型コロナウイルスによる休校などをきっかけとして、多くの自治体で導入されたものです。特殊な状況だったこともあり、色々な制限のある中での機種選定だったと思います。1回目の導入の際は、自治体ごとに機種を選定していきました。価格の問題、在庫の問題などもあり、若干問題のある機器が導入されてしまった自治体もあったようです。

 タブレット/PCが古くなると使う際にさまざまな不都合が生じてきます。アプリが更新できなかったり、速度が遅くなったりということです。子供が日常的に使っていると破損なども起こってきます。修理や定期的なメンテナンスでカバーしていくのですが、そういったものにも限界があるのも事実です。

GIGA端末2回目導入に向けた動き

 現在、2回目の導入に向けた動きが進んでいます。2回目は都道府県ごとに機種を選ぶことになっています。スケールメリットなどを上手に利用していくと良いでしょう。価格面はもちろん、研修時にも取り組みやすくなります。また、以前から問題となっていた転校した子供の問題なども解決しやすくなります。使い方と共にデータの引き継ぎなどもしやすくなるでしょう。

 学校だけでなく、社会全体でタブレット/PCなどを使っていく暮らしは当たり前となっています。こういった流れは今後もさらに進んでいくことが予想されます。学校におけるタブレット/PCを取り巻く環境がより良いものとなることを願います。

 本企画では、読者の皆さまからの質問を受け付けています。下記のボタンをクリックして表示されるフォームより送信ください。実際に学校へ寄せられた相談のほか、保護者が学校へ伝えた相談など、鈴木先生に対応方法を聞いてみたい相談事例を募集します。

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