教職員定数7,600人増、授業数減…働き方改革パッケージ

公開日時:2024-08-30 11:18:55  
カテゴリ:教育行政/文部科学省

教師を取り巻く環境整備 総合推進パッケージ
教師を取り巻く環境整備 総合推進パッケージ
画像出典:文部科学省
教師を取り巻く環境整備 総合推進パッケージ
教師を取り巻く環境整備 総合推進パッケージ
画像出典:文部科学省
 文部科学省は2024年8月29日、盛山文部科学大臣を本部長とする「教師を取り巻く環境整備推進本部」を設置、総合推進パッケージをまとめた。小学3・4年生への教科担任制の拡充により、2,160人の教員増員と学級担任の持ち授業時数の軽減を図るなど、指導・運営体制と職場環境の充実を目指す。

 文部科学省は、8月27日に中央教育審議会より「質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策」に関する答申を受けたことに対応し、「教師を取り巻く環境整備総合推進パッケージ」を取りまとめた。学校の働き方改革、学校の指導・運営体制の充実、教師の処遇改善を一体的・総合的に推進するべく、具体的な改革案を示している。

 教職員定数の改善では、小学校の教科担任制を3・4年生まで拡充するべく2,160人の増員を計画。指導の質の向上を図りつつ、3・4年生の学級担任の持ちコマ数は週3.5コマ減とする案を、新任教員はさらに負担を減らし持ちコマ数を週5コマ減とする案を示した。

 さらに、生徒指導担当教師の全中学校への配置により1,380人増、多様化・複雑化する課題への対応として476人増、35人学級の推進など基礎定数の増加により3,637人増とし、あわせて7,653人の教職員定数の改善を目指す。

 業務量の多さや長時間労働の常態化などが社会課題となる中、教員志願者は年々減少しており、危機的な教員不足が目前に迫っている。文部科学省は、総合推進パッケージに「次世代校務DXによる業務の適正化」や「健康・福祉を確保した柔軟な働き方」「給与面の処遇改善」なども盛り込んでおり、これらを複合的に進めることで業務負担と長時間勤務を減らし、時間外在校等時間月45時間以内、仕事・生活の満足度が高い職場環境へと大きく変革したいねらい。
<畑山望>