都立高、個人情報流出のおそれ…サポート詐欺

公開日時:2024-08-29 14:15:03  
カテゴリ:教育行政/教育委員会

サポート詐欺
サポート詐欺
画像出典:警視庁
東京都教育委員会
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 東京都教育委員会は2024年8月28日、生徒の個人情報が流出した可能性を公表した。都立高校に勤務する講師のパソコンから、保存していた勤務校3校計326名の生徒の氏名、成績などが流出した可能性があるという。現在のところ、二次被害などの発生は報告されていない。

 事故は2024年7月28日、午前10時30分ごろに発生。都立高等学校に勤務する講師が自宅で私物パソコンを使用中、いわゆる「サポート詐欺」の被害に遭った。同講師がパソコンを使用していると、警告音とともに、パソコンが狙われていると表示。表示された電話番号に電話を掛け、指示に従ったところ、パソコンの遠隔操作が行われた。同講師は、口座のある銀行のWebページにアクセスするよう指示を受け、当該銀行口座残高を確認されたのち、相手は切電したという。

 30日、同講師は勤務校の1校に連絡し、状況を伝え、学校が事実関係を確認した。一連の間、生徒個人情報が含まれるファイルについて、画面上、相手側から操作はされていない。しかしながら、8月2日、当該勤務校において再度詳細に確認したところ、3校計326名の生徒の氏名、成績などのデータが当該パソコンに保存されていることが判明した。個人情報の内容は、2020年度(令和2年度)から2024年度(令和6年度)までの、担当していた履修科目に係る生徒の学年、組、氏名、性別、成績(定期考査得点、通知表の成績など)など、3校にわたる計326名分。現在のところ、二次被害などの報告はない。

 同講師は7月30日、警察に相談するとともに、当該パソコンのインターネット接続を遮断。また、8月2日に当該パソコンの初期化を完了した。流出の可能性のある保護者に対し、それぞれ学校から事故に係る説明・謝罪を行っている。

 当該講師は校長の許可を得ることなく、無断で私物パソコンを使用していたという。東京都教育委員会は、再発防止策として、学校における個人情報などの取扱いや適正な管理について、再度周知徹底を行うこと、特に、業務における私物パソコンの使用は、原則禁止であることなどについて周知を徹底するとした。

 なお、「サポート詐欺」とは、インターネットを閲覧中に、突然、ウイルス感染したかのような嘘の画面を表示させるなどしてユーザーの不安を煽り、サポートの名目で金銭を騙し取しとったり、遠隔操作ソフトをインストールさせたりする手口のこと。詐欺の被害を防止するには、OSやソフトウェアを最新の状態に保つこと、ウィルス対策ソフトなどを導入することが有効だという。
<木村 薫>