全国で急ぐ教員確保…中教審が処遇改善など求め答申

公開日時:2024-08-28 14:15:03  
カテゴリ:教育行政/文部科学省

中央教育審議会答申の考え方
中央教育審議会答申の考え方
画像出典:中央教育審議会
中央教育審議会答申の考え方
中央教育審議会答申の考え方
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 中央教育審議会は2024年8月27日、質の高い教師の確保に向けた総合的な方策を取りまとめ、盛山文部科学大臣に答申した。全国で教員不足が喫緊の課題となる中、教職の魅力を向上させ優れた教員を確保するために、「働き方改革」「指導・運営体制の充実」「処遇改善」を一体的・総合的に推進するとしている。

 公立学校教員採用選考試験において、採用数の拡大と既卒の受験者数の減少により採用倍率は低下し続けている。2022年度実施の採用選考では、小学校2.3倍、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校・養護教諭・栄養教諭の全体で3.4倍と、いずれも過去最低を更新。さらに、日本経済新聞の集計によると、2024年度実施の採用試験では、全国の教育委員会のうち4割で志願倍率が1倍台に低迷するなど、危機的な教員不足が目前に迫っている。

 教員不足や採用選考の低倍率解消のためには、緊急・臨時的な教師需要にも対応できるよう教員志願者を拡大する必要があり、教職の魅力向上を図ることが急務であるとしている。

 中央教育審議会は8月27日の第139回総会において「『令和の日本型学校教育』を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について(審議のまとめ)」を取りまとめた。

 答申の軸は「学校における働き方改革の更なる加速化」「学校の指導・運営体制の充実」「教師の処遇改善」の一体的・総合的な推進。校務DXの加速化や、小学校中学年の教科担任制の推進のほか、残業代の代わりに基本給の4%を上乗せする「教職調整額」を10%以上とする大幅な処遇改善を求めている。

 答申の全文や概要は、文部科学省Webサイトで見ることができる。
<畑山望>