学校に必要な回線速度は? 規模別の推奨帯域と速度計測のポイント

公開日時:2024-07-25 11:15:04  
カテゴリ:ICT機器/授業

学校規模ごとの当面の推奨帯域
学校規模ごとの当面の推奨帯域
画像出典:文部科学省「学校のネットワーク改善ガイドブック」
うちの学校に必要な回線速度は? 規模別の推奨帯域と速度計測のポイント
うちの学校に必要な回線速度は? 規模別の推奨帯域と速度計測のポイント
 GIGAスクール構想は「NEXT GIGA」とよばれる次のフェーズに移行しつつある。1人1台端末の活用が全国各地で進められる中で、自治体間格差が顕在化したことも事実だ。今後はそれを解消し、1人1台端末の利活用をさらに進めていく必要があるとされている。

 端末の利活用を阻害している要因のひとつに、ネットワーク遅延や不具合があげられる。文部科学省は、今後、デジタル教科書の導入や全国学力・学習状況調査のCBT化、動画教材、クラウドベースでのデジタル教材の活用、クラウドベースの次世代型校務システムの導入を進め、教育DXを加速させるうえでも、通信ネットワーク環境の問題は致命的であるとし、必要な改善を早急に図るためにもネットワーク診断(アセスメント)を推奨している。

学校に必要な推奨帯域とは? 人数規模別の推奨帯域

 文部科学省は2024年4月26日に公表した「学校ネットワーク改善ガイドブック」の中で、学校内で同時にすべての授業において多数の児童生徒が高頻度で端末を利活用する場合でも、ネットワークを原因とする支障がほぼ生じない水準を「当面の推奨帯域」とし、1校あたりの当面の推奨帯域の目安を示している。

 端末の利活用の日常化に向けて、まずはすべての学校でこの水準を目指してほしいという。なお、当面の推奨帯域は、実測値の水準として示すものであり、ベストエフォート型の契約における理論値の水準ではない。

 文部科学省が2023年11月に全国の公立小・中・高校を対象に実施したた簡易帯域測定の結果(速報値) と照らし合わせ、一定の仮定のもとで推計すると、「当面の推奨帯域」を満たす学校は2割程度にとどまっているという。文部科学省は「教育DXに係る当面のKPI」の中で、2025年までに必要なネットワーク速度確保できている学校を100%にするという目標を掲げている。このことからも、NEXT GIGAにおける端末更新の補助要件のひとつとしてネットワーク整備計画の策定が求められている。

推奨帯域を満たしているのかは回線速度計測で確認

 当面の推奨帯域を満たしているかを確認するためには、児童生徒が使用するネットワークの無線アクセスポイントに端末を接続し、帯域測定サイトにアクセスして測定する。「学校ネットワーク改善ガイドブック」では、簡易帯域測定の際に気を付けるポイントを紹介している。

簡易帯域測定の際に気を付けるポイント

・測定は、測定日や時間帯を変えて複数回測定することが望ましい。

・実体に即した帯域を測定するためには、平日日中の時間帯、かつ、授業で端末を利用していない時間帯(始業前や放課後等)に測定することが望ましい。

・性能が高くない端末で測定した場合、実際よりも低い測定結果となる場合があるため、可能な範囲で高いスペックの端末で測定することが望ましい。

・原則として、帯域測定サイトは域内の学校で原則として同一のものを用いる。帯域測定サイトと通信環境の相性によって結果に差がある事例もあるため、全学校に帯域測定サイトを提示する前に、教育委員会の担当者において複数の帯域測定サイトで試験を行うことが望ましい。

・機器やシステムの設定により帯域の上限を定めている場合は、実際よりも低い測定結果となる場合があるため、制限のかからない環境で測定することが望ましい。

 リシードとフルノシステムズは7月31日までの期間、学校の回線速度を計測し、ネットワーク環境の優れた学校を表彰する「第2回 GIGAを応援!超速Wi-Fiキャンペーン」を開催している。学校のインターネット環境整備のために、そして子供たちのより良い学びの加速のために、キャンペーンに参加いただきたい。

第2回 GIGAを応援!超速Wi-Fiキャンペーン「学校インターネット回線速度計測」について

 イードが提供するトレンド情報メディア「RBB TODAY」が、インターネット回線の速度計測サービスとして2002年より20年以上にわたり提供している「RBB SPEED TEST(アールビービー スピードテスト)」を、学校向けに改良して提供しているもの。RBB SPEED TESTは、サーバ環境に左右されない通信速度計測システムとして定評があり、1日あたり3万〜5万回の計測が行われている。

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<編集部>