ChatGPTの利用実態について、大学教員の業務活用率は32.7%にとどまり、約5割は今後の大学への導入を望んでいないことが2024年6月28日、WHITEが公表した調査結果から明らかになった。生成される情報の正確性やセキュリティ課題などから、慎重に検討を重ねているフェーズにあるようだ。
「ChatGPT利用実態調査」は、マンガ形式のDX人材育成サービス「MENTER」を提供するWHITEが全国の国公私立大学教員を対象にインターネットにて実施したもの。調査期間は5月20日〜29日、427件の有効回答を得た。
大学教員のChatGPT認知率は、「聞いたことはあるが、内容については理解していない」9.8%、「聞いたことがあり、内容についてやや理解している 」41.7%、「聞いたことがあり、内容について理解している」44.5%となり、計96%は認知していることがわかった。内容まで理解している深い認知は4割にとどまる。
大学での業務活用率は32.7%(とても活用している、やや活用しているの合計)、一方、まったく活用していないは35.4%と、ほぼ同数となった。利用を禁止されているのはわずか1.7%、3割近くは活用度が「わからない/応えられない」と回答した。
ChatGPTの業務用途の1位は「情報収集」56.0%。ついで「翻訳」53.7%、「文書の要約・生成」50.7%と続いた。「アイデアの生成」に活用している割合は38.8%、教員のコア業務である「問題・教材の作成」に活用している割合は26.9%となった。
ChatGPTを活用してない/禁止されている理由については、「アウトプットされる情報が正確ではない」48.0%が最多に。ついで「利用ルール・ガイドラインが整備されていない」が39.5%、「活用方法がわからない」が21.7%。機密情報の漏洩リスクを懸念する人は16.4%だった。おもに安全面に配慮し活用に踏み切れていない状況がうかがえる。
今後大学での導入を希望する人が35.3%(とてもして欲しい、ややして欲しいの合計)いる一方、「あまりして欲しくない」40.3%、「まったくして欲しくない」12.6%と、導入を望んでない否定派が半数を超える結果となった。
調査を行ったWHITE代表取締役・横山氏は、「生成AIによる正確性の担保やハルシネーション対策は使い方を工夫することで回避可能と考えています。活用を希望しない教員が半分を占める結果はとても残念に思いますが、その理由が今回調査の通りであるならば、今すぐ解消できる問題だと感じます。対策方法についてさまざまな手段を通じて発信していきたいと思います」と、前向きなコメントを寄せている。
大学教員のChatGPT活用率3割…5割は導入希望“しない”
公開日時:2024-06-28 18:15:03
カテゴリ:教材・サービス/その他
- ChatGPTを活用していない理由
- 画像出典:MENTER調べ「ChatGPT利用実態調査」
- ChatGPTの業務での用途
- 画像出典:MENTER調べ「ChatGPT利用実態調査」
- ChatGPTの業務活用度
- 画像出典:MENTER調べ「ChatGPT利用実態調査」
- ChatGPTの認知状況
- 画像出典:MENTER調べ「ChatGPT利用実態調査」
- 今後のChatGPTの導入意向
- 画像出典:MENTER調べ「ChatGPT利用実態調査」
<畑山望>
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