広島平和文化センターは、被爆80周年となる2025年度の事業の一環として、修学旅行で広島を訪れる中学校を対象に、旅行費用の一部として助成金を支給する方針を示した。対象は東京都および関東5県の公立中学校。今後5年間で100校を平和学習のモニター校として指定し、修学旅行への助成や平和学習の事前支援などを行うとしている。
原爆資料館などを運営する広島平和文化センターは、被爆80年となる2025年度に全国の子供たちに向けた平和学習を展開する事業案を立ち上げ、さまざまな取組みを進めている。被爆者や戦争体験者が高齢となる中、若い世代の平和意識を高めていく緊要性から、全国各地の子供たちに対話的で深い学びの機会を提供する「ヒロシマ平和学習受入プログラム」を展開し、12月時点で全国25都道府県90加盟都市が参加申込をしているという。
また、新たな取組みとして、修学旅行で初めて広島を訪れる中学校を対象に、旅行費用の助成や事前学習の支援などを行う「平和学習モニター校指定制度」を実施すると発表。これまで広島を訪れたことのない若い世代に、被爆の実態や当時の状況をリアルに感じてもらい、平和への意識の醸成とともに、原爆被害についてより深く学んでもらうことを目的としている。
支援の対象となるのは、広島を訪れる修学旅行生の割合が低い、関東地方1都5県(東京、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉)の公立中学校で、生徒1人あたり3,000円の旅行費用の助成を想定している。また、修学旅行の前に、被爆体験伝承者を学校に派遣する事前学習の支援や、広島での平和学習プログラムの支援も実施。今後、5年間にわたり、年間20校、計100校をモニター校に指定する方針。関心のある学校・教員に積極的な参加を呼びかけている。
2025年度の平和学習の取組みについては、広島平和文化センターの機関紙「平和文化」No.218(令和6年12月号)にて、広島平和文化センター副理事長の谷史郎氏が紹介している。
広島への修学旅行費助成…被爆80周年にあわせ平和学習支援
公開日時:2025-01-21 14:45:03
カテゴリ:教育行政/その他
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- 機関紙「平和文化」No.218(令和6年12月号)
- 画像出典:広島平和文化センター
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- 広島平和文化センター
<畑山望>
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